伝統を今の時代に合わせていく


先日の富山での木の家づくりサミットの際に、富山市の八尾という昔ながらの町並みを保全している地域にツアーで案内していただきました。

工務店の方々と一緒のツアーだったので、町並み、その地域の建築がメインのツアー。

サミットのプログラムでも八尾の地域紹介や取り組みされている方の話もあったので、ある程度の背景を知ってから行く事になりましたが、ここもなかなか面白い場所でした。

昔ながらの町並みを保存しようという取り組みは全国でも数多くあると思いますが、八尾は風の盆という祭り期間中3日間は24万人の人が来て動けない位になるそうですし、その祭りの雰囲気もものすごく良いそうですが、その時期以外は観光客の方はほとんど来ないそうです。

確かに町並みは古い家が立ち並び、電線も建物の裏にあるので、表側は石畳の通りに町家が立ち並ぶ場所でした。ただやはり町家の維持は住民の方には負担になるようで、空き家ができて、潰され駐車場になった場所、雰囲気の違う家が建った場所がありました。

また当日は案内頂いていた参加者のメンバー以外はほとんど観光客らしき姿は見えず、聞いてみても、普段はほとんどいないそうです。
祭りの3日間だけに集中するのはもったいないのですが、町並みだけというのは観光に来るモチベーションにならないかもしれない。
歩いていても食事できそうな店が蕎麦屋さんが1件(裏にもあるそうなのでもう1件)、お店はお土産物屋さんや酒屋さんがあった位でほとんどなし。

1件だけ若い女性が女将?をされていた「越中八尾ベースOYATSU」という宿とカフェが併設の場所だけは常設で営業されている新しい施設でした。
リノベーションした古民家「蔵)で宿泊ができる施設でしたが、こういった施設が新しく町中にできることの大切さは1件しかないのですごく浮き上がって見えました。

伝統があるだけでは、今の人には響かないものが増えてます。伝統といって自分たちのあり方ややり方を変えないのではなく、新しい風を外から入れて、今の人や暮らし、考え方に合わせて変化させていけば、伝統産業や技術が新しく息を吹き返す。そんな例が多いように思います。
イノベーションを起こすことは、そんな大掛かりなことでもないかもしれません。すでに一度うまく行った実例があれば、それを時代に合わせていけば小さなイノベーションになって業界が息を吹き返すような気がします。

庭に携わることが増えて最近驚いたことは、地域名+庭と入れて検索して出て来るのは外構屋さんばかりということ。
コンクリート・タイル・樹脂・アルミなどの既成品を中心に使うところばかり。

庭という検索ワードで造園業が出てこないのは衝撃でしたが、これも同じことで、今の人達が庭を求めていないのではなく、今の人の考え方や暮らしに合わせれば、変わるんじゃないかなと思います。土があるのが嫌なのではなく、土があると面倒なことが起こるのが嫌。だったらそれをできるだけなくすことができれば固めて閉ざしてしまうスペースに土を残して植物を植える事もできるんじゃないかと思います。