しそう杉の家:株式会社ヤマヒロ モデルハウス 五軒邸


2017年夏に、始めて本社に伺いましたが、以前から知っていた株式会社ヤマヒロ様。
伺った際に色々と話を伺い、樹木を山採りしている山のこと、それとモデルハウスの植栽をどうにかしてほしいという依頼をいただきました。

2015年5月に完成した神戸新聞ハウジングセンター姫路会場(五軒邸)のモデルハウス。
造園は有名な造園家の荻野寿也さん。
竣工して2年ほどたち、植栽がいたんだり、衰退したり、枯れたりしたものが多くみられました。
それと、社長の三渡さんの理想的な住まいは植栽の木陰でもう少し建物に差し込む光を制限されるような環境。
そうなっていくように改善を施してほしいという依頼でした。

初めて見に行った際の外観。植物のボリュームは通常の住宅では考えられないほど。8メートルを超える樹木が多いが、枝先が枯れてきていたり、衰退してもともとの樹形が崩れてしまっていたりするものが多く見られる。

2階の開口部から外を望む。緑のボリュームは少ない。ここからの視線を緑に包まれるようにするのが理想的。

下草がボサボサに茂ってしまっており、樹木は傷んで胴吹き(幹からの発芽)が多く見られる。

梢枯れ。樹木の痛みが激しい。原因を考えて対策と、手入れが必要。

まずは原因を探りながら、手入れから始めることに。樹木量が多いのと、手入れがあまりされていなかったり、されていても変な剪定、施肥のみで樹木がより傷んだ形跡も。前に入った造園業者さんの手入れの粗さも傷んだ原因のひとつ。
土の状態も悪く。発根が悪い樹木が多い。まずは剪定作業から。

今までの経験上。土の状態の悪さは当然植物の生育を阻害しますが、良い状態の土であっても剪定がおかしければ一気に弱ることもあります。まずは剪定から。剪定で戻すことが可能なものは抜かずに、そのまま回復させます。
それから土壌改良。土の状態が悪く。硬く締まった土。保水力がなく、乾きやすい環境。また地温が上がりやすく乾燥を促進させているため、夏前に簡単な土壌改良と、マルチングだけ行い。残りは秋に。

ここから秋の作業。
植え替えや移植。営業しながらで且つ、重機などを入れての作業が不可のため、少しずつしか進みません。

“五軒邸モデルハウスは、「里山に暮らす」をコンセプトにまるで先に里山を作り込んでから後で住宅をそっと建てたかのような設計と、里山の風景づくりに欠かせない庭木には地元の山に自生する“山採りの木”を採用。”

コンセプトがはっきりしているため、植える樹木も里山の風景に沿ったものに。宍粟の山の山採りの木を中心に、足りないものも里山に生えているものを選びます。それに加え、荻野寿也さんの植栽の手直しでもあるため、荻野さんの植栽を参考にもしました。御本人の話を聞きに行ったり、その他の植栽の現場を見たり。
秋の作業はまだ続くので完成の写真は撮れていませんが、来年の春の景色が楽しみでありますし、今年より来年、来年より再来年。植栽が生長していけるように環境を作っています。

モデルハウスですので水曜日の定休日以外はいつでも見学可能です。植栽だけでなく、住宅としてもとても機能的で考えられており、窓からの景色や、使えるウッドデッキなど、作業していたり、休憩中に過ごす時間も、姫路城の背後に沈む夕焼けも広い敷地で開放的に見えます。ぜひ見学にお越し下さい。