小さければ小さいほど良い農業:梶谷農園

何年も前から、日本の農業の進むべき道は大規模化で効率を良くすることと政府などの目指す所はそっちばかりでしたが、日本の農地の特徴などを考えるとどう考えても、大規模化でのコスト削減や効率化だけでは難しいと思っていました。

でも海外を見ると、小規模で売上も高くすごくいいパフォーマンスを上げている農家がいました。小さいからできる形で、大規模化が進められていたアメリカで50年近く前からエリオット・コールマン(Eliot Coleman)はその時代に小さいほうが良いと言うのを目指して2haほどの小規模野菜栽培を始め、その形が彼から広がって小さくどうすれば効率化できるかという、あまり日本にないジャンルの農業をしていました。

政府が進める大規模化はそれはそれで必要かもしれないので、良いとして大規模化だけではなく、小規模でこのような形が増えるといいのになと思っていましたが、あまりそういったタイプの農家の方に出合うことがありませんでした。

先日、自分も招かれて講義をした高島市新規就農支援セミナーの中で、広島県の梶谷農園の梶谷譲さんの講義の日があり、事前に聞いた話だとものすごく面白いそうだと言うことで、勉強に行ってきました。

約0.5haの農場にハウスが33棟。そのハウス内でベビーリーフや、マイクロリーフなどの野菜や、野草(ハーブ類)などを栽培してる梶谷さん。どうすれば効率よく栽培できるかを考えて、収穫期や播種機(詳細はYoutube)などを取り入れるなどとてもおもしろかった。


ベビーリーフ用の収穫期は以前から知っていて、2人で半日かけて収穫していたのを1人、1時間で収穫ができるようになる。それに動力は電動ドライバー。仕組みはとてもシンプル。このあたりもエリオット・コールマンが確か、自分で考えて引退したエンジニアの人に作ってもらって…という所からがスタートだったのではないかと思います。
梶谷さんはこれを1台80,000円位と言ってたのですが、効率を考えるととても安い。構造はシンプル。
以前、園芸資材の販売製造をしてる企業の方に、これを作れば、全ベビーリーフ農家が買うと思うので作ってはいかがでしょうと進めて試しに輸入してもらったことがありましたが、国内で製造できればもっと入手もメンテナンスも(バッテリーなども)楽になるでしょうね。

栽培以上におもしろいのは販売先。今回のタイトルも3つ星レストランに…というタイトルだったのですが、販売先は契約している150件のレストラン。そのレストランのシェフたちが求める、他にないものの要望に答えるために常に新しい品種を探して育てているそうです。

梶谷さんもほとんど言っていないそうですが、有機農業。有機農業というと、ほとんどの方が少量多品目で、個人のお客さんに週1回箱で届けるというモデルが多いです。こういったぜんぜん違う農業の形が増えれば農業に参入したい人増えそうな気がします。これからは路地栽培も広げていく予定だそうです。どうなるのか楽しみです。ぜひ一度見に行きたい

「小さければ小さいほど良い」19世紀のパリ郊外の農家が言っていた言葉を、アメリカでエリオット・コールマンが取組、それが広がっていろんな農場がある。
小さければ良いのであれば日本の農業はそっちほうが向いている土地は多い。
小規模で始める際のもう一つの問題は使いにくい農地をどう早く使える形にするか。
それは土の問題。それも解決しないといけないこと。 それもまた書きます