建築家伊礼智さんの住宅デザイン学校

伊礼智の住宅デザイン学校

建築家の伊礼智さんが主催する住宅デザイン学校という学校の番外編が京都で開催されるということで、
建築業ではありませんが、参加してきました。
今回は、造園家の荻野寿也さんと伊礼さんの対談がメインで、外構についての話と、実例紹介ということでした。

夏から関わっているしそう杉の家のヤマヒロさんの姫路五軒邸のモデルハウスの植栽は荻野寿也さんがされたのですが、
やったものを変えることもあるので、それについても聞いておきたかったのと、どういう思いで作られるのかなど
色々と聞いてみたいことがありました。

土を考える庭というコンセプトで造園のような仕事をすることが増え、造園やさん。と言われることも増えましたが、
あくまで、土がある空間を今の人の暮らしや、ニーズにあったものとして提案する。ということがメイン。
それをしていこうと思うと、自分だけでは到底できなくて、建築士や工務店など、建築に関わる方々にも理解してもらう必要がありますが、
なかなか、それについての理解は進んでいません。
今回のイベントに行って感じたことは、建築の業界も、外や自然、植物には少しずつ興味を持って注目してきているようだということを感じました。参加している方々はやりたい(けど誰に頼むかなど実際には問題もある)というかたが多く、ここも時代が変わりつつあるのかなと思いました。

まずは松彦建築工房の京都サロン(設計:伊礼智さん、造園:荻野寿也さん)で設計、造園の意図や竣工後5年ほどたった状態を見学。

それから講義。対談という順序でした。

荻野さんとは、以前、兵庫県立ものづくり大学校で建築士の方々や、建築の勉強をされている方々向けに講演をした際に、
私の前に講演されていた際に初めて知って、会うのはそれ以来でした。
講演を聞くのも対談を聞くのも初めてですが、今の人に受け入れられるのものを提案するのはすごくいいなと改めて思いました。造園屋さんと付き合うことも多く、話をしていると、庭を作る仕事はほとんどしていない人が多く、する場合も、昔の伝統的な技術を使って。。。という方が多いなか、それとは違う提案をしてきて今に至る。荻野さんのような先駆的な人がいなければ、植物や緑に触れるということももっと少なかったかもしれませんし、建築業や一般の方への影響は大きいでしょうね。
荻野さんのことがあらためて好きになりました。

またヤマヒロのモデルハウスで手入れや移植、植え直しなど、荻野さんの仕事を見る機会があるのでそれが楽しみです。

講義で一番響いたのは、開口部や軒の高さや天井高などは何で決めるのかという質問に対する伊礼さんの答え。
それは最近会うデザイン・クリエイティブの仕事をされている方々が口にされることと同じでした。
全てのデザインには意味があって、説明できることしかやらない。開口部の位置は、外に向かって開いて良い景色があるところに開く。天井高は、建物のフォルムや美しさを感じる高さに。。。。などなど、そうやって説明していくと設計が出来上がる。
決してカッコいいからこうしよう。ではなく、その場その場に合わせてもっともいい解答を模索して作っていく。設計という仕事の面白さなんでしょう。
リビングソイル研究所でも、同じように設計をしなければならないことがありますが、苦手としていますが、かっこいいものを作るのではなく、意味、目的をたどって行ったらこの形になりましたというのは普段から提案していること。図面は引けた方が良いと思うけど方向性は間違えてなかったかなと思えた1日でした。