認定こども園 まあや学園:兵庫県たつの市 園庭植栽 

2020年に新しく開園したたつの市の認定こども園 あそびの丘の姉妹園のまあや学園からも植栽の依頼を受けて計画をはじめました。
園の中を横切らなければならず、子どもたちが通っている中、1週間弱の予定だったので、少し涼しくなってからということで、2020年9月施工となりました。
園庭施工前:先生たちでコナラの5メートル超サイズを植えたそうです。そのコナラが傷んでいてだんだん小さくなってきていました。コナラはちゃんと植えれば強く生長する樹木ですが、ちゃんと植えられてない場合はすぐに傷んでしまいます。今回のコナラも傷みだしていて簡単には止まらない状態。


できるだけ短い期間で終わらせないと子どもたちが遊ぶスペースを制限してしまうことになるため、たつのガーデンアートの堀田さんと前回に引き続き森のあかりの岡本さんにヘルプを依頼しました。初日はいつも助けてもらっている暮らしと植物の三宅さんにも来てもらいました。
まあや学園もあそびの丘もどちらの園庭も通常の園庭の設計や考え方とは違う園庭のつくり方。
前回も話しを色々と聞いていましたが、実際に子どもたちが園庭が変わることでどう変わるかなど、リアルな声を聞いてようやくこの園庭整備の良さが腑に落ちました。
その園庭づくりを進めているのが 木村歩美さんと建築家の井上寿さんのお二人。全国色んな所で進めているそうですが、関西ではこの2園が初だそうです。

副園長先生の話によるとまあや学園は2年前に園舎を新築するまでは、広くて平な園庭だったそうです。全面芝生で緑できれいな園庭ではあったそうですが、今の園庭と比べると子どもたちは自分たちでアクティブに動くのではなく、先生が何かをやろうと引っ張って行動するのが多かったそうですが、園庭整備をはじめてから子どもたちが自らの意思で動いて遊ぶようになり、先生はそれを見守るという関係性に変わっていったそうです。
普通の庭の作り方や考え方とはまるで違いますが、子供にとって楽しい空間をつくるとは?ということを考えるきっかけになりました。
園庭の植栽について
今回の園庭整備で最も重要視したのは子どもたちが好きなようにさわってちぎって、ニオイをかいで、実を食べて実で遊んで、種を撒いてなど遊びで触れて、食べて彼らの記憶に残るといいなと言うことから考えました。
食べられる:
ジューンベリー、フェイジョア、クランベリー、ラズベリー、柿、リンゴ、ブルーベリー、マルベリー、ユスラウメ、ビックリグミ、レモン、ヤマモモ、ツブラジイ、ナツハゼ、エノキ、いちご
香り:
カラタネオガタマポートワイン、キンモクセイ、クサギなど
コナラ、クヌギなどのドングリ、ヤマザクラやアジサイなど季節の花。
手入れの仕方を先生たちに伝える際に、子どもたちが好きなようにちぎったりとったりして良いので、そうさせてくださいということを伝えました。2〜3メートルサイズのものは少なめに(傷むと直しにくい)して、高木でしっかり影をつくり、将来的には登ったりツリーハウスをつけたりも考えられるように作りながら、手の届くところには食べられるものや、秘密基地の周りには香りが楽しめるものなど記憶に残ればいいなと思い配置しました。
築山やその他のコースなどはそのままにそれに合わせて計画しています。
園庭の使い方や遊び方などは定期的に見て子どもたちが喜ぶポイントをもっと知っておきたいですね。








先生から頂いた写真
あそびの丘に補植に行った際 エノキを補植。

先生たちに剪定の仕方や植物の扱いかた、水のやり方などを伝える時間も作れました。



園庭整備計画:井上寿 木村歩美
園庭整備:園長、先生や保護者の皆さま
植栽計画:リビングソイル研究所
土壌改良・植栽施工:
たつのガーデンアート 堀田さん
森のあかり 岡本さん
暮らしと植物 三宅さん
リビングソイル研究所