地域とまちに巡らせる、うれしい循環
「地域自然資源の再発掘」は、現代社会では忘れられがちな「里山」 の価値に再び光を当てようと 2018年に発足したプロジェク ト。里山に息づく植物を地域資源としてまちに生かして経済 的循環を生み出し、人々が身近な自然の豊かさに気づくきっかけをつくるとともに、里山保全活動への市民の参画を促します。
「地域自然資源の再発掘」のコア事業「山採りビジネス」の流れ
「山採り師」が、里山の樹木を選別・保管。
山採り師は、山の植生調査を行い、植木として価値のある樹木を選別。採取した樹をストックヤードに移植して保管・育苗するほか、里山から採取した種から育苗を行い、適切な除草などの手入れをほどこして価値ある樹木を育てます。
「地域自然資源の再発掘」コーディネーターが樹木を購入。
山採りされた樹木を「地域自然資源の再発掘」コーディネーターが購入します。またコーディネーターは、長期的に山採りを行える里山環境整備の方法についてコンサルティングも行っています。
山採り植物を、個人の庭や商業施設、公共空間へ。
「地域自然資源の再発掘」コーディネーターが購入した樹木を、リビングソイル研究所が、個人の庭や商業施設、公共空間などに適切な植栽設計とともに届けます。近隣の里山の樹を使うことで、その地域ならではの空間・景観ができます。
「地域自然資源の再発掘」の課題
里山の環境整備の課題
植木として価値のある樹木が豊富に育つためには、除草や植樹など適切な手入れが欠かせません。近年、地域住民の共同利用によって里地里山を維持保全していく必要性が高まっていますが、実際には30~40年と放置された山が多く、そういった環境では販売できるような樹木が採取できないのが現状です。
人手の課題
上記のような理由から、里山バリューのプロジェクトにおいては、地域住民の方々に自主性を持って持って里山整備に関わっていただくことが重要です。しかしながら放置されて荒れた里山は、数年~10年は採算度外視で環境整備に取り組む必要があり、地域の高齢化が進む中では人手の確保がむずかしくなっています。
プロジェクトメンバー
- 西山雄太(リビングソイル研究所)
- 内平隆之(兵庫県立大学)
- 筒崎稔規(兵庫県立大学大学院生)
- 中塚雅也(神戸大学)
- 破魔淳二(但陽信用金庫)
- 柴崎浩平(神戸大学)
- 坂井柊斗(神戸大学学生)