自生種を使った植栽が増えれば良いなと、庭を作ったりする仕事をする以前からずっと思っていました。
そう思うきっかけもまた、土について考え始めるきっかけになったオーストラリアでみた取組です。
もともと、亜熱帯雨林の地域。開拓時に切り開かれて今は農業はしやすい広い農場を確保できるようにはなっていますが、植生は単調で30年ほど前までは赤土が目立つ地域。それから少しずつユーカリや亜熱帯雨林の植生の植物を植える取り組みが広がり、少しずつ亜熱帯雨林が再生(と言ってもまだまだ)
ファーマーズマーケットなどでもよく地域の自生種の苗が売られています。
植えられたばかりの苗木。農場の周辺にも少しずつ植生を回復させようとする農家が多い。土壌侵食防止や、生物多様性の回復など、長期的な投資。
亜熱帯雨林。まだ外来種も多いが、少しずつ植生を回復させている所(10年ほど取り組み)
この地域では、自生種の苗の種を集める仕事をする仕事の人。その種から苗木を育てるナーセリー。そしてそれを販売する人。植える人。こうやって苗木を流通させている。それだけでなく、高速道路などの工事でもこういった自生種が使われている。
グローバルと言われている現代。そんな中でも植生や景観を考えるときにはローカルに動いているようにおもいます。
少しずつですがそんなことを姫路周辺。播磨で取り組んでいくつもりです。
そんな取り組みをしていく中でも、一番興味あるのは、この地域にしか自生しない植物。野山に育つ植物の多くは他の地域でも見られるものが多いですが、地域限定の種類も幾つかあるようです。
今ずっと探して増やせると良いなと思っている植物は「コヤスノキ」。
兵庫県南西部〜岡山県西部あたりしか自生地がないそうですが、実際に見てみると、とてもいいサイズ(2m前後が多い)
種はネバネバしていてなかなかおもしろい形。プラスチックのように見えます。
コヤスノキ。どうにか増やして色んな所に植えることができるようになれば良いなと思ってます。きっかけはなかなかないですが…。
地域在来種の取り組みはずっと考えてきましたが、実際に全種類地元でとなると、樹種などに制限ができるので、難しく一部使う程度に留まっていましたが、2017年の姫路駅前キャッスルガーデンの「えきまえ里山」では全て姫路に自生する植物のみを使ってというコンセプトでの取り組み。
この取組は(まだ名前は決定していませんが)継続してキャッスルガーデン内の全体が自生種の植栽で、より居心地の良い空間になり、それから自生種。地域にある植物が地域内様々なところで植えられるようになれば良いなと思っています。